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夜の独り語り~誕生編~

これは近いんだか遠いんだか分からないくらいの思い出話

1987年10月29日、とある病院で1人の赤ん坊が生まれた。

生まれたと言って良いのか分からない。
”1人の赤ん坊が死にかかっていた。”という方が正しいかもしれない。

体重わずか、1500kgでこの世に生を受けた赤ん坊は直ぐ様、保育器に移された。
母からは当時、新薬として、肺を膨らませる薬が認可されたばかりで、その新薬のおかげで私は一命を取り留めたと聞かされた。

父親は「リカちゃん人形にでかい頭と〇〇がついた感じだ」と気色悪いことを言っていた。

こうして、私はなんとか、始まった瞬間終わることだけは避けることができた。
しかし、残念なことに、ことはそこで終わらなかった。

私は完全な状態で生まれことに失敗していた。微妙に。ギリギリで。既の所で。
知能障害こそなかったが、右半身に非常に微妙ではあるが麻痺が残ったのだ。

医者からは「検出できないが、恐らく脳に微細な傷があるのだろう」と説明を受けたそうである。

こうして、私の人生は幕を開けたのだった。

それからの正確な時系列は今となっては覚えていない。

脚に刺された点滴の痛みや病院のベッドを抜け出して看護婦にお尻を叩かれた痛みなど、
色々なものがとりとめもなく入り交じっていた。

思い出と言えば、独特な消毒液の匂いと車椅子、それと陽気な若者達だった。
一時期、手術の影響で、ろくに歩けない私に、彼らは優しくしてくれた。

遊び方の分からないゲームボーイ。意味の分からない言葉。
だけど、彼らが優しい人達であるということだけはよく分かっていたようである。
今でも、それだけは間違いないと言えるから。

********

3ヶ月の入院ののち、ついに退院出来る日。

彼らは言った。

「ユービー♪」

意味は今でも分からない。たぶん「指」だと思う。病院に居る間に決まった合言葉だった。

意味は分からなかった。

だけど・・・。

その幼子はにこりと微笑んだ。

優しかった。それだけは覚えている。
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